1ヶ月で作れた! はじめての同人誌づくり(4)画像加工編

ライター:さいとうよしかず

「1ヶ月で作れた!はじめての同人誌づくり」4回目は、画像加工という特殊な作業に入ります。前回までは、同人誌制作未経験の私が、家でキャンプをすることをテーマにした情報系同人誌を作り、それを同人誌即売会「コミティア」で頒布することを確定。頒布する同人誌の企画骨子を決めた後、構成や台割を考えて、商品やレシピをリサーチしてから実体験しました。そして、実体験をして得た情報を基に、記事を執筆したところまで進みました。今回は、撮影した画像を、同人誌に掲載できるように加工していきます。使用するソフトは画像加工の定番ソフトAdobe® Photoshop CC(以下Photoshop CC)と画像整理に役立つAdobe® Bridge CC(以下Bridge CC)になります。

画像加工の準備

まず、画像加工に必要なソフトを紹介します。私が使うソフトは、冒頭に紹介した Photoshop CCとBridge CCになります。Photoshop CCは高価なイメージがあるかもしれませんが、「フォトプラン」であれば、月額980円(税別)で使えます。Bridge CCも使えますので、かなりお得なプランです。同人誌づくりで画像加工するなら、良い投資ではないでしょうか。では、2つのソフトについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

Photoshop CCとは?

Adobe社が提供しているPhotoshop CCは、多くのデザイナーが使用している画像編集&デザインソフトです。撮影した画像をトリミングしたり、明るくしたり、データにさまざまな加工を施したりすることができます。

Bridge CCとは?

Bridge CCは、デジタルアセット管理ソフトという名称がつけられていますが、簡単にいうとデジタルデータを総合的に管理できるツールです。例えば、画像ごとにラベルやレーティング(重要度を決める)などを設定して、大量に撮影したデータを整理できます。また、画像データに限らず、PDFなどの書類データや、ムービーなどのデータファイルも管理できる、至れり尽くせりのソフトです。

Bridge CCで撮影画像を整理しよう

® Bridge CCには、画像を整理するための機能が多い。

Bridge CCには、画像を整理するための機能が多い。

まずは、Bridge CCで使用する画像を整理しておきましょう。私の場合は、まずBridge CCを起動し、使用したい画像データのあるフォルダを選択。「フィルムストリップ」というモードで、画像ファイルを表示させます。すると、横一列に画像が表示されますので、使いたい画像をクリック。画像が大きく表示されるので、本当にその画像で良いかを判断できます。似たような画像が複数あるときは、画像の一部をクリックすると、クリックした部分が拡大表示されるのでどちらの画像が良いかを決めやすくなります。例えば、人の顔であれば、「目にピントがあっているか?」などを基準に決めればいいでしょう。

また、画像が大量にあって迷うときは、画像を選択した後に「ラベル」機能で、「レーティング」と呼ばれる「★」をつけると、使用するファイルをしぼることができます。私の場合は、ざっと見て「使える」画像に★を1つつけます。そして、「フィルター」機能で★がついてものだけを表示し、絞り込んでいきます。

使いたい画像を決めたら、ダブルクリックするとPhotoshop CC上で画像が表示されるので、すぐに加工作業に入れます。

覚えておきたいPhotoshop CCの簡単加工

次にPhotoshop CCを使って、画像加工をしていきました。同人誌づくりで必要になりそうなPhotoshop CCの機能としては、明るさなどの「色調整」、使いたい構図に切り出す「トリミング」、周囲を削除して撮影対象物だけにする「切り抜き」、背景に人が写りこんだ場合などに使いたい「ぼかし」が挙げられます。ほかにもいろいろありますが、まずはこの4つを覚えておきましょう。今回は、私が作った同人誌の表紙加工プロセスを見てもらいつつ、画像加工の流れをご紹介します。なお、あくまで流れの説明ですので、詳しいツールの使い方は、書籍などでご確認ください。

1. まずは色調整をしよう

画像全体ではなく、選択範囲を作って作業すると、思いどおりの絵に作り込める。

画像全体ではなく、選択範囲を作って作業すると、思いどおりの絵に作り込める。

まずは色調整です。暗い画像であれば明るくする必要があります。ただし、個人的には撮影時は必ず暗めに撮影するようにしています。これは、写真加工する可能性を視野に入れているからです。明るめに撮影して白くなってしまった部分は「白飛び」といって、修正は不可能です。逆に、暗い画像は情報として「写ってはいる」けれども見えていないだけなので、画像加工で復活できる可能性があります。ですから、私は取材先などで必ず「暗めに撮影」しておき、使う画像が決まってから明るく加工します。

また、「ホワイトバランス」の調整が必要な場合もあります。撮影時にホワイトバランスの設定を間違えてしまった場合、白い色が白に見えずにクリーム色だったり、青みがかっていたりします。例えば、料理の画像で、白いお皿が青みがかっていたら、料理自体の画像も青みがかっているはずです。

そうなると、温かい料理も冷めているように見えてしまうでしょう。ですから、Photoshop CCでホワイトバランスを正しく修正することで、温かい料理は温かい料理に見えるように調整するといいと思います。

今回の撮影データは、少し青みがかっていたので、まずは壁の白を基準に、ホワイトバランスを修正しました。また、屋上部分が少し暗めになっていたので、ツールボックスの「選択ツール」で屋上部分を選び、「イメージ」メニューから「色調補正」の「明るさ・コントラスト」を選んで、明るめに調整しています。

これで、最低限使える画像に修正できましたが、私は、もう一工夫することにしました。というのも、空の色が少しどんよりしていたので、楽しさを感じません。

そこで、空の色の青を強調するように画像加工し、まるで青空かのように見せています。このように、ただ使える画像にするのではなく、演出的な加工を加えると、より同人誌を手に取ってくれる人が増えるのではないでしょうか。

2. トリミングをする

写真を大きめに撮っておけば、後からトリミングで必要な部分を切り出せる。

写真を大きめに撮っておけば、後からトリミングで必要な部分を切り出せる。

続いてはトリミングです。「切り抜きツール」で、必要な部分を切り出します。このとき、画像の比率を変えないように注意してください。失敗しないようにするには、Shiftキーを押しながら作業すると安全です。今回の画像は、ほとんどオリジナルの構図と同じですが、周囲に見せたくない物が写っていたり、構図自体がいまいちだったりした場合は、トリミングしましょう。例えば、今回は表紙用に縦位置で撮影していますが、横位置で撮影してしまった画像を縦位置にトリミングして表紙に使うこともあると思います。

3. 必要なら切り抜きも

今回の同人誌では使っていませんが、切り抜きも覚えておきたい機能のひとつです。例えば、今回の同人誌のようにキャンプ用品を紹介するのであれば、アイテムを撮影して商品だけを切り抜いて掲載する方法もあります。ただし、切り抜きは、慣れないと難しいテクニックです。基本的には切り抜きたい形に「選択範囲」を作成すればいいのですが、複雑な形状になるときれいに選択範囲を作ることは難しいと思います。そこで、慣れないうちは「選択ツール」の中でもシンプルな「多角形選択ツール」を使い、直線しか持たないアイテムだけを切り抜いてみてはいかがでしょうか。

見せたくない物は「ぼかし」か「修復」しよう

「ぼかし」はたくさんあるが、「ぼかし(レンズ)」が顔などを消すのには使いやすい。

「ぼかし」はたくさんあるが、「ぼかし(レンズ)」が顔などを消すのには使いやすい。

最後は、写ってはいけない物が写ってしまった場合の対処方法を紹介します。例えば、街中の写真を撮って、知らない人の顔がはっきりとわかるようなら、ぼかしておくべきです。また、気付かないところにゴミなどが写りこんだ場合は、修復して消してしまいましょう。

私が人の顔などをぼかす場合は「楕円形選択ツール」で大まかに顔を囲み、「フィルター」メニューから「ぼかし」→「ぼかし(レンズ)」を選んで加工します。ゴミが写りこんだ場合は、ツールボックスから「スポット修復ブラシツール」を選択し、消したい部分をなぞることで周囲の色となじませることができます。

応用的な使い方としては、人物画像の「ニキビ跡」などをなぞることで、目立たなくすることも可能です。なお、スポット修復ブラシツールは、周囲から明らかに異物とわかる物は消しやすいのですが、背景が複雑な場合は対応できない場合もあります。

出力の設定は慎重に

プリセット下のプルダウンメニューから「JPEG」を選び「最高画質」を選択しよう。

プリセット下のプルダウンメニューから「JPEG」を選び「最高画質」を選択しよう。

画像加工は以上で終了ですが、最後に気を付けるべきは出力データのカラーモードです。ディスプレイ出力であればRGBでいいのですが、印刷をする際は一般的にはCMYKにする必要があります。

ですから、自分が使う印刷手段や印刷以外の用途を考慮して、RGBにするか、CMYKにするかを確認してから作業しましょう。

今回は、印刷の汎用性が高いCMYKで行いました。CMYKへの変更方法としては、「イメージ」メニューから「モード」→「CMYKカラー」を選択すればOKです。なお、RGBとCMYKの違いは、「同人誌デザイン入門編(3) 色の基礎知識」をご覧ください。

また、画像解像度の変更が必要な場合もあります。ディスプレイ出力は72dpiですが、印刷では350dpiあったほうが、きれいに印刷されます。そこで、「イメージ」メニューから「画像解像度」を選び、「解像度」を350dpiに変更してください。

書き出しのフォーマットは、JPEGデータでも構いません。私の場合は、「ファイル」メニューから「書き出し」→「Web用に保存(従来)」を選び、開かれた「Web用に保存」ウインドウの「プリセット」と書いてある文字の下にあるプルダウンメニューから「JPEG」を選び、さらにその下から「最高画質」を選択して保存しています。

まとめ:クオリティの高い画像を掲載しよう

同人誌に掲載されている画像の良し悪しは、手に取ってもらえるかどうかに影響するかもしれない重要な要素です。せっかく作った同人誌に興味を持ってもらうためにも、クオリティの高い画像づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

編集部コメント

Photoshop CCは敷居が高いかなと思っていましたが、自分にも使えそうだなと感じました。写真がきれいになれば、もっと良い同人誌が作れるかもしれませんね。

次回の「1ヶ月で作れた! はじめての同人誌づくり」では、Adobe® Illustrator CCを使った誌面レイアウトについて紹介しています。ぜひ参考にしてください。



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