1ヶ月で作れた! はじめての同人誌づくり(6)印刷・製本編

このサイト記事はキヤノンがライターに依頼し作成しました。そのため、印刷手段にキヤノンのインクジェットプリンターが使用されます。予めご了承ください。

ライター:さいとうよしかず

 

「1ヶ月で作れた!はじめての同人誌づくり」6回目は、ついに印刷と製本を行います。前回までは、同人誌制作未経験の私が、同人誌即売会で頒布する同人誌の内容を検討し、原稿を執筆したり、画像を加工したりした上で、印刷用のデータを作りました。今回は、キヤノンの家庭用インクジェットプリンターを使って、実際に同人誌を作っていきます。また、同人誌を製本するのに便利なツールも、併せて紹介します。

同人誌を印刷する紙を選ぼう

同人誌を印刷するためには、プリンターとインク以外に紙が必要です。普段、コピーなどに使っている紙でもいいじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、薄い紙だと両面印刷したときに後ろが透けてします。また、表紙にきれいな写真を使いたいのであれば、普通紙は向かないでしょう。ですから、作りたい同人誌の種類によって、どのような紙がいいかを選ぶ必要があるのです。

同人誌に使う紙の種類

では、同人誌に使う紙の種類は、何がいいのでしょうか? 紙は和紙と洋紙がありますが、今回は均一な仕上がりになるように、洋紙を選択します。

洋紙は、表面に加工を施した塗工紙と非塗工紙があります。こう聞くと難しいですが、塗工紙は写真などを印刷するのに使うコート紙で、光沢紙やマット紙などがあります。

一方、非塗工紙は、コピーなどにも使われる普通紙や上質紙といった名称の紙です。そこで、表紙など写真をきれいに見せたいところはコート紙、そのほか大量に印刷するところは普通紙や上質紙という分け方もあると思います。

なお、これらの紙は基本的に「白」に加工されていますが、色付きの紙もあります。また、表面にエンボスなどの加工をした紙もあります。これらの紙を上手に利用すれば、少し趣のある同人誌ができるかもしれませんね。

表紙と本文の紙を決める

続いては、表紙と本文の紙を決めます。今回作る同人誌の表紙は、写真がメインとなります。そこで、写真をきれいに印刷できる紙で、縁まで印刷できるタイプの「マットフォトペーパー」を選びました。

本文は、中綴じにする都合上、裏面が透けて見えない厚手の紙を選ぶ必要があります。そこで、「キヤノン普通紙・ホワイト両面厚口」を選択しました。

紙の購入方法

紙は、インターネット通販や家電量販店などの実店舗で購入できます。既に持っている紙であればインターネット通販を利用すると楽ですが、紙になじみのない人や新しい紙や使ったことのないを選ぶのであれば実店舗に行くのがいいかもしれません。実際に手に取ってみると、いろいろなアイディアがわくこともありますよ。

プリンターを設定しよう

次は、プリンターの設定です。今回はキヤノンのインクジェットプリンター「XK70」を使用します。まずは、プリンタードライバーのインストールです。パソコンとプリンターの接続は無線LANで行うので、ある程度離れた場所にプリンターを設置しても大丈夫そうです。しかし、今回は手差し印刷をすることも多いので、パソコンのそばに置いて作業しました。

印刷時の注意点は?

印刷時に発生するトラブルの多くは、人的なミスです。例えば両面印刷したときに、「同じ面を印刷してしまった」「上下逆に印刷してしまった」といったものが挙げられます。これを防ぐためにも、セットした紙の「どちらの面に印刷されるのか?」「紙の上下はどちらになるのか?」を、きちんと把握しておきましょう。私は、今回の同人誌制作で、油断して両面印刷に失敗してしまいました。印刷に失敗すると1冊あたりのコストが増えてしますので、事前にモノクロ印刷などでテストしておくことも大事ですね。

プリンターのプロパティの設定は?

 

もうひとつ印刷時に注意したいこととしては、プリンターのプロパティの設定です。通常の印刷であれば、特に意識しなくても、用紙のサイズや向きをきちんと設定すれば大丈夫です。

しかし、同人誌の表紙を印刷するにあたっては、注意したほうがいい設定がありました。表紙は、紙の端まで印刷したいので、それに合わせた設定をしなければいけません。例えば、Windowsで印刷する場合にどこを変更すればいいかというと、プリンターのプロパティの「ページ設定」タブにある「ページレイアウト」で「フチなし全面」を選ぶことと、「はみ出し量」のゲージを最大にすることです。

表紙の印刷設定と、本文の印刷設定は、どちらも、「おうちでつくる同人誌」というキヤノンの公式サイトで紹介していますので、そちらを参考にしてください。

試し刷りと本番

すべての設定が完了したら、一度「試し刷り」を行いましょう。前回お話ししたように、プリンタードライバーの持つ「冊子印刷機能」を使うのであれば心配はいりません。しかし、私の場合は自分で面付を行っています。もしかすると、ちゃんと製本した段階でページ順になるように、中綴じ用にページレイアウトを面付けしたつもりでも、ミスがあるかもしれません。

また、印刷した文章を読むと、変なところがあるかもしれません。試し刷りではそれらのことを、入念にチェックしましょう。実は、ミスはないと自信があったのですが、なぜかページの左右の配置を間違えており、ページ順がちぐはぐになっていました。ミスは誰にでも起こることなので、試し刷りはしたほうが安心ですよ。

また、冊子印刷機能を使わない場合は、本番の両面印刷時に、前述したような表裏や上下の紙入れミスをしないように注意しながら行いましょう。

製本作業の流れ

製本は、同人誌制作の最終的な工程です。プリンターやコピー機で印刷したことはあっても、それを冊子にしたことがある人は少ないかもしれません。難しいことではないので、ぜひ挑戦してみてください。

ホッチキスで中綴じする方法

縦位置に針をとめることができる便利なホッチキスも。

縦位置に針をとめることができる便利なホッチキスも。

私の作った同人誌は中綴じです。中綴じは、印刷した用紙を順番に重ね、中央で二つ折りにして中央をホッチキスでとめます。しかし、ホッチキスは折り目に沿って縦に打つので、紙の中央をホッチキスでとめる必要があります。

ですが、普通のホッチキスは横向きにしかとめられないので、本の中央まで届きません。そこで、針の位置を縦に変更できる、特殊なホッチキスを購入して対応しました。特殊といっても1,000円もしないので、投資としては安いものではないでしょうか。なお、同人誌づくりに詳しい知人よると、100円ショップでも、似たような機能を持つホッチキスがあるそうです。

便利なアイテムの紹介

ナカトジータがあれば、製本作業が格段に楽になる!

ナカトジータがあれば、製本作業が格段に楽になる!

ステープラー以外の課題としては、本をきれいに折りたためるかどうかです。これは、印刷している紙がずれないよう、最大限注意するしかありません。しかし、力の加減でどうしてもずれてしまうことがあります。そこで私が使ったのは、中綴じ用の製本ツール「ナカトジータ」という製品です。

こちらは、紙のサイズに合わせて周囲を止め板で囲い込み、印刷した紙が同じ位置で重なり動かないようにできる商品です。紙の四隅が固定されているので、ホッチキスを打つときも紙がずれる心配はいりません。

また、紙を真ん中で折る作業をする際も、紙の片側が固定されているのでずれませんし、紙の反対側を同じ位置に重ねて折るので、完全に真ん中で折ることができるのです。これを手作業でやれば、変な位置で折ってしまったりすることもあるでしょう。価格は5,000円以上するので、投資としては高いかもしれません。

しかし、手作業で折ることに失敗した同人誌は破棄する可能性もあるので、長く使うのであれば導入コストと相殺できるかもしれません。また、何より楽に作れるので制作時間が短縮できます。それほど重い製品ではないので、場合によっては同人誌即売会の会場に持ち込んで、その場で作ることもできるかもしれません。購入は、お財布と相談して決めてもいいかもしれませんね。

化粧断ちして仕上げよう

製本が終わっても、まだ終わりではありません。どんなにきれいに中綴じ製本しても、二つ折りした紙が重なると、紙の厚さという物理的な事情があるため、冊子の「小口」に紙がはみ出して段差ができてしまいます。小口というのは本を開く側のことです。

そこで、私が行ったのが「化粧断ち」という作業です。これは、本の周囲を一定量カットしてしまう作業で、金属製の定規とカッターがあれば簡単にできてしまいます。この化粧断ちは、絶対に必要な作業ではありませんが、作業をした場合とそうでない場合の仕上がりの差は歴然です。

なお、小口など、本の名称については「同人誌デザイン入門編1「本」サイズ、綴じ方、各部名称を解説」に詳しく書いてありますので、興味のある人はぜひお読みください。

化粧断ちをすることで読者から、「この作家は同人誌を大事に作っている」と見えるかもしれませんし、何より自分が作った同人誌の仕上がりはきれいなほうがうれしいはずです。

今回私が作った同人誌は30冊程度なのでできましたが、これが100冊ともなると、躊躇するかもしれません。少々高価ですが、裁断機などがあれば手軽に化粧断ちできます。自分が頒布する同人誌の部数などを考えて、検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ:思っていたより簡単にできるので、ぜひ同人誌づくりにチャレンジを!

今回の印刷・製本編は、皆さんの参考になりましたでしょうか。初めて同人誌を作ってみて、想像していたより簡単にできることがわかりました。もちろん、元々あった知識が役立つことはありましたが、企画から製本まですべての作業を自分一人で行い、最後に完成した本を手にしたときは感動しました。途中、面付に失敗したり、上下逆に印刷したりと、ミスはありましたが、終わってみれば楽しい思い出です。皆さんもぜひ、同人誌づくりにチャレンジしてみてください。

編集部コメント

今回は、印刷や製本といった、同人誌を自分で作るときの山場となる作業でした。印刷や製本といった作業は大変そうですが、それもまた同人活動の楽しさの一つだなと改めて感じました。

また、自分で製本するときに、ナカトジータは使ってみたいなと思いました。次の「1ヶ月で作れた! はじめての同人誌づくり」最終回では、同人誌即売会「コミティア」にて、実際に同人誌を頒布する体験記が読めます。ぜひご覧ください。



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