同人誌デザイン入門編(4) 配置の基礎知識:レイアウトのコツを紹介

ライター : 上林将司

配置(レイアウト)という言葉は、特殊技能っぽい響きがありますよね。そのため、「正式に勉強したことないから不安」とか「特別なセンスがないからできないかも」とか、チャレンジする前にあきらめてしまいがちです。しかし、これから紹介する「近接」「整列」「反復」「強弱(コントラスト)」という、レイアウトの基礎を知っておくことで、少なくともアンバランスなデザインに仕上がる可能性はかなり低くなります。

また、基礎を知ることで、世に出ている作品がどのような意図でレイアウトされているのかも理解できるようになるので、レイアウトの力を磨く機会も増えるでしょう。というわけで、さっそくご紹介していきます。

レイアウトの基礎(1) 近接

写真と文字が近いと関連性がわかり、離れすぎるとわかりにくくなる。

写真と文字が近いと関連性がわかり、離れすぎるとわかりにくくなる。

近接とは、「関係する要素同士を近づけることで結び付きを強くする」という、レイアウトの基礎のひとつです。

例えば、上の画像のように、写真と題名を2組用意し、写真同士は十分に距離を空け、題名は写真に近づけます。すると、見た人は「この文字はこの写真の題名なんだ」と、直感的に理解できるでしょう。逆に、すべてを均等に配置した場合、写真と題名の関係性がよくわからなくなると思います。

このように、人は要素同士が近いものを関連していると認識するので、見る人にわかりやすくレイアウトするためには、各要素の配置は重要となります。

コマとコマの幅を変えることで、視点を幅の狭いほうへと誘導できる。

コマとコマの幅を変えることで、視点を幅の狭いほうへと誘導できる。

ちなみに、マンガでも近接の効果を使っています。マンガを読むときは通常、右から左のコマへと読み進めていって、突き当たったらその下の段の右に目線を移動します。コマ割りをよく見てみると、横に並んでいるコマとコマの幅は、縦よりも狭くしてあるマンガが多いんです。これは、次のコマを視覚的に誘導しているのです。

レイアウトの基礎(2) 整列

要素をそろえないと不安定になり、そろえると安定感が出る。さらに、近接のテクニックを付加すると、より安定感が増す。

要素をそろえないと不安定になり、そろえると安定感が出る。さらに、近接のテクニックを付加すると、より安定感が増す。

整列とは、「要素を整理し、配置すると美しく感じる」といったレイアウトの基礎となります。性格にもよりますが、机の上に置いてあるテレビやエアコンのリモコンを平行にピシッと並べておかないと気持ち悪い……と思ってしまう方は意外に多いのではないでしょうか。

レイアウトにおいても、各要素がきちんと配置されていないと、違和感が出てしまいます。例えば、同じ大きさの正方形を「高さや間隔をそろえず、まばらに置いたもの」と、「きっちりと高さをそろえ、等間隔で並べたもの」では、どちらが安定感を感じられるでしょうか? やっぱり、きれいに並んでいるほうが気持ちいいですよね。

また、整列は近接と併用することで、要素をよりわかりやすく配置することができます。

レイアウトの基礎(3) 反復

デザインを反復することで、「かわいい」イメージを、より効果的に読者に与えられる。

レイアウトを反復することで、「かわいい」イメージを、より効果的に読者に与えられる。

反復は、「特徴的な意匠や色を繰り返し使うと統一感が生まれる」といったレイアウトの基礎です。

例えば「ぬいぐるみの写真集」を作るときに、かわいい感じに仕上げたいと思ったとします。それを踏まえて、デザインのコンセプトを「かわいい=まるっこい」と決めます。そこで、なるべく角をなくしてやわらかい印象になるように写真の角を丸くし、タイトル文字や本文も角の丸い丸ゴシック体を使って構成してみます。

すると、全体的に優しい雰囲気があふれ、かわいくて統一感のあるページに仕上がります。もちろん、このときの配置には、近接や整列を併用します。

同じサイズと色のフォントを使えば、別のページでも同様のルールで作られているページだとわかる

同じサイズと色のフォントを使えば、別のページでも同様のルールで作られているページだとわかる

なお、反復は色やフォントなどにも応用できます。例えば、何ページにもわたる本の場合、写真のタイトルは黒い文字で太い明朝体、その解説文(キャプション)は青くて細いゴシック体などと決めておきましょう。そして、写真が出てくる度に同じフォントを使うことで、誌面に統一感を持たせることができます。つまり、この反復を使うことで、読者が安心して読めるようになるのです。

レイアウトの基礎(4) 強弱

同じサイズに並べるのではなく、1つを大きくすることで目立たせることができる。

同じサイズに並べるのではなく、1つを大きくすることで目立たせることができる。

強弱は「コントラスト」という場合もあります。「伝えたい情報に優先順位をつけて大きさを変えると視線を誘導できる」といったレイアウトの基礎です。

例えば、同人イベントで配るチラシのレイアウトのために、「新刊1冊の表紙」「既刊3冊の表紙」といった素材を用意したとします。この4冊をすべて同じ大きさ配置した場合、せっかくの新作本が目立たなくなってしまいますよね。

ここで、一番大きくすべきなのは、「新作1冊の表紙」ではないでしょうか? ですから、チラシ半分くらいのスペースで新作を紹介し、残りの半分のスペースを3分割して旧作を紹介するレイアウトにすれば、チラシを見た人は一番大きな新作に目がいきますし、それが重要な本だとわかります。

まとめ:レイアウトは決まりごとを守れば誰でもできる

第4回では、同人誌づくりをする上で知っておくと良いデザインの4つの基礎をご紹介しました。どのテクニックも知っていればすぐに実践できそうなことばかりだと思いませんか?

レイアウトとは、「センスで作るものではなく、決まりをある程度守れば、それらしくまとまってくれるもの」なのです。この記事で、今までレイアウトに苦手意識を持っていた方の気持ちが、少しでも軽くなったらと思います。どんどん新しいレイアウトにチャレンジして、レイアウトを好きになってもらえるとうれしいです。

編集部コメント

今回の記事は、私が同人誌づくりで悩んでいる「レイアウト」について、どうすればもっと良くなるのか。たくさんのヒントを貰った気がします。

入門編はこれで終わりですが、「はじめての同人誌を1ヵ月で作ってみた!(5)レイアウトデータ作成編」では、実際に同人誌の紙面のレイアウトをしています。同人誌づくりに興味を持った方は、こちらの記事もお読みください。

 

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