コミケ初心者でも安心して楽しめる「コミックマーケット94」の歩き方

ライター : 松井ムネタツ

コミケ初心者でも安心!初めてのコミケノウハウ

 
 

気が付けば、ライター業も人生もベテランな域に達してしまった松井ムネタツと申します。これまで私は、テクノポリス、スーパーファミコンマガジン、ゲーメストなどの編集に携わり、ファミ通Xboxでは編集長も務めさせていただくなど、大好きなテレビゲームの雑誌づくりに関わってきました。趣味はもちろんゲーム…と漫画とアニメ、さらにデジタルガジェットにプロレスにプラモデル、食い物も好きだし旅行も好きだし…と、まあ雑食すぎて収拾がつきません。

そのような趣味が高じ、二十歳前後のころは、友人と同人誌を作ったこともありました。そして、夢のコミックマーケットにも参加しました。今は同人誌を作ってはいませんが、コミケには足を運び、会場で旧友と再会したり、思うがまま同人誌を買ったりしています。今回も、直感任せに何冊か本を買いました。それは、私にとって実に楽しいひとときなのです。そのような楽しさをもっと多くの人に知ってもらえれば…。ということで本稿をまとめました。特にまだコミケに行ったことがないコミケ初心者の人には、ぜひ参考にしていただきたいです。

コミックマーケットとは

コミックマーケットが行われる東京ビッグサイト。

コミックマーケットが行われる東京ビッグサイト。

コミックマーケット、略してコミケ。ここでは、そもそも「コミックマーケット」とは何かを改めて説明します。

コミケの歴史

コミケは、誕生から40年を超える世界最大規模の同人誌即売会のことです。東京ビッグサイトを会場に、年2回行われています。第1回のコミケは1975年に開催。会場は日本消防会館の会議室で、参加サークルは32、来場者数700人という程度でした。それが、今は東京ビッグサイトをフル活用し、参加サークル35,000、来場者数53万人と世界中から注目されるイベントとなりました。

私のコミケ歴はコミケの歴史に比べたら半分程度しかありませんが、この20年見てきただけでもコミケは大きく変わりました。アニメやマンガのカルチャーが拡大していくとともに、男性層・女性層ともに幅広くいろんなジャンルが集まるようになりましたし、現在は企業ブースコーナーもできて、先行・限定発売のグッズを買い求めるファンも多数参加するなど、コミケはどんどん多様化していると感じます。

アニメや漫画だけではない

同人誌は、「アニメや漫画作品のファンが、それらをまねて描いた物」というイメージを持っている人も少なくありません。しかし、同人誌はアニメや漫画だけではありません。同人誌は、あらゆる趣味嗜好のテーマで書かれた本で、オリジナルの漫画や小説はもちろん、短歌、俳句、評論、映画、歌舞伎、ミュージカル、お笑い、スポーツ、鉄道、クルマ、バイク、おもちゃ、旅行、音楽、飲食…と多岐にわたります。また、売られている本は、印刷所に発注して作られた物もあれば、プリンターで印刷した紙をステープラーで止めた物までさまざまあります。

会場内には長机が並び、この日のために作ってきた同人誌がズラリと並びます。「新刊あります!」「◯◯本です!」など多くの声が飛び交っていますが、自分が好きな単語はしっかりと耳に入ってくるから不思議なものです。コミックマーケットカタログ(後述)をチェックし、実際にそのサークルがあるところまで行くまでのドキドキは何年経っても変わりません。何度か通っているサークルであれば「前回も会に来てくれましたよね?」なんて顔を覚えていてくれることもあり、舞い上がるような気持ちになるのはいうまでもありません。これがきっかけで十年以上続く友人になった、なんてこともあるのです。

絶対必要なコミックマーケットカタログ

2018年夏に行われた第94回コミックマーケットのカタログ「コミックマーケット94カタログ」。

2018年夏に行われた第94回コミックマーケットのカタログ「コミックマーケット94カタログ」。

コミケは、1回の開催で数日間行われますが、アニメはこの日、鉄道はこの日というように、ジャンルで分けられており、同じサークルが2日以上出展することはありません。ですから、コミケに行く前には、いつ、どのような出展があるのか、全出展サークル情報を、日程別・ジャンル別に掲載されているカタログで調べておいたほうが良いでしょう。むしろこれがないと、いつ、どこに、どんなジャンルのサークルがあるのかわかりません。基本的には購入必須と思っていいでしょう。会場でのさまざまな注意事項も書かれていますので、一通り目を通しておくことをおすすめします。ちなみに、カタログにはWebで確認できる電子カタログと1,000ページを超える冊子があるのですが、私は冊子を購入しました。

コミケに行く際に事前準備すること

前項では、コミケの必需品としてカタログを紹介しましたが、コミケに行くときには、ほかにも事前準備が必要です。何を用意したら良いのか、ぜひ、チェックしてください。

<コミケに行く際のチュックリスト>

  • お金:まずは何より、お金が必要です。お金は1,000円札、500円玉、100円玉を十分に用意しましょう。多くの同人誌を手に入れるためにも、きっちり払って、お釣りを用意してもらう時間を短縮することが理想的です。お釣りなしのピッタリで払うことができると、お互いとってもうれしい気持ちになりますよ。
  • カタログ:前述のとおり、どこにどのようなサークルがあるのかを、事前にチェックしておきましょう。念のため、当日もカタログを持っていくことをおすすめします。
  • バッグ:サークルは、本屋のように買い物袋を用意しているわけではないので、自分で購入した本を入れるバッグ等を用意しなくてはいけません。用意するバッグは、大きめのトートバッグやリュックサックが理想的です。同人誌のサイズで多いのはB5、A4サイズですが、大判の本やポスターを購入することも考えると大きいに越したことはありません。また、本を大量に購入しても持ち運びしやすいように、頑丈な作りのバッグがいいでしょう。
  • 靴:靴は、なるべく歩きやすく履き慣れた物をおすすめします。東京ビッグサイトはとにかく広く、たくさん歩くことになります。この日、初めて履く靴は避けたほうがいいでしょう。
  • 暑さ・寒さ対策:人気のサークルであれば、外まで延びる大行列に並ぶことになります。夏なら水分補給を、冬は寒さ対策を行って、体調を崩さないように気を付けてください。
  • 交通網の確認会場は東京ビッグサイトなので、どの経路でどのくらい時間がかかるのかを調べつつ、余裕を持って出掛けましょう。入場開始は朝10時ですが、その時間では、ただならぬ行列となっています。ですので、初めて行く人は、ほとんど並ばずに入ることができる正午過ぎあたりの到着をおすすめします。※ただ、正午過ぎは入りやすい分、人気の同人誌が売り切れてしまっていることもあります。

会場での楽しみ方

カタログには、会場図とサークル位置が示されている。

カタログには、会場図とサークル位置が示されている。

さて、コミケ当日です。コミケにはコミケ特有の文化があります。有意義な時間にするために、どのように過ごすべきなのかをご紹介します。

共通の趣味を持つ仲間との会話を楽しむ会場を歩きつつ、お目当てのサークルに到着したら、「読ませてもらっていいですか?」などと声をかけて、本の中身をチェックします。さらに、「今回の新刊はどれですか?」「◯◯についてたくさん書かれている本はどれでしょう?」など、会話を楽しむのもコミケならではです。

もし、あなたが手にとった本の内容に興味があれば、サークルの人は著者であることがほとんどですから、その人はあなたと同じ趣味を共有できる相手ということになります。

お気に入りの周辺にはお宝が眠っていることがある事前にチェックしたサークルだけを回るのもいいですが、サークルの周囲には似たようなジャンルの本が並んでいるはずです。カタログでは気が付かなかった、「あれ? この本何だろう?」という本が高い確率で見つかります。そのような最高の出会いがあるのが、コミケの醍醐味といってもいいでしょう。カタログではノーチェックだった本なのに、その前を通ったら手に取らずにいられなかった。その出会いこそが、コミケにおける至高のひと時なのです。

私の戦利品

今回、私は飲食系や旅行系あたりを中心にサークルを回ってみました。事前にカタログもある程度チェックはしておいたのですが、基本的には直感に頼って「ピン!」ときた本を買いました。以下、私が買った本を紹介します。「こういう本もあるんだ!」と関心を持ってもらえたら幸いです。

「ピン!」ときた本1 知識本 歯磨き粉編(桃色星)

 

 

 

 

歯に関する情報やマンガのサークル「桃色星」では、歯を擬人化させた内容の本や歯ブラシ情報などの本を売っています。今回購入した「知識本 歯磨き粉編」は、普段知ることのない歯磨き粉に関するさまざまな情報がまとめられていて、非常に興味深い内容でした。特に、歯磨き粉の量や付け方は「なるほど、こうするとより効果的なのか!」と目から鱗の内容でした。

「ピン!」ときた本2 屋上遊園地 vol.5(屋上パンダ)

 

 

 

 

公園などの遊具を撮影した写真集を制作しているサークル「屋上パンダ」にて、デパートの屋上で撮影した写真をまとめた「屋上遊園地 vol.5」を購入しました。この本では、松屋浅草のほか、イトーヨーカドー 三ノ輪店、小岩店、曳舟店の屋上遊園地が取り上げられ、忘れかけたあのころの記憶がよみがえる、すばらしい内容となっていました。

「ピン!」ときた本3 何も知らない素人が始める4 燻製料理(AmAchan)

 

 

 

 

燻製料理本を作っているサークル「AmAchan」にて、「何も知らない素人が始める」シリーズの最新刊を購入しました。この本では、ホタテ、しらす、ホッケといった魚介類を中心に、燻製料理を紹介しています。その簡単な作り方が書いてある上に、道具さえ持っていればすぐに作ることができること、また作者によるコメントとしてお酒に合うかどうかが明記されているところがポイントとなっています。

「ピン!」ときた本4 ハイボールをおいしく飲む本4(biposto)

 

 

 

 

ハイボールにこだわったサークル「biposto」で、「ハイボールをおいしく飲む本」シリーズの第4巻を購入しました。この本では、「名前は聞いたことあるけど」という銘柄のウイスキーによるハイボールを、「入手性」「おいしさ」「飲みやすさ」「炭酸との相性」「ハイボールでの香り」という項目それぞれで、5段階評価しています。表紙イラスト、誌面のデザイン、写真と、どれもクオリティが高く、読めば読むほどハイボールが飲みたくなる一冊となっています。

「ピン!」ときた本5 GONE 地上から消えた廃墟(廃墟探索部)

いわゆる廃墟を撮影した本ですが、この「廃墟探索部」というサークルの本は、かなり本格的な作りでした。日本はもちろん、世界中の廃墟を回って、本だけでなくDVDも作っていて、写真と映像の両方で楽しめます。ここは人気サークルのひとつで、テーブルの前は常に人だかりがありました。

まとめ:コミケに行ってみて

ここまで紹介してきたのはごく一部であり、実際にはいろいろなジャンルの物が数多く存在します。それらを目にし、手に取ってみるだけでも十分に楽しめます。

また、購入した本の感想をTwitterでつぶやくなど、SNSを通じてサークルにその思いを伝えるのも購入者としてのマナーといえるかもしれません。サークルが次の本を作るための原動力になるのは、購入者からの「おもしろかった」という感想なのです。次も読みたいと思ったら、積極的にその想いを伝えましょう。ここまでが、コミケの活動の一部始終となります。まずはスケジュールに、次回のコミケに行く予定を入れてみてはいかがでしょうか。

編集部コメント

同人誌を作ったり買ったりする活動はインドアな趣味だと思われがちですが、実は交友関係の幅や深さを拡大してくれるものです。コミケに行くことで新しい発見があり、趣味の世界がさらに広がって、人生が豊かになる。これは、決して大げさな表現ではないようです。今回は、筆者の趣味で購入した同人誌の紹介となりましたが、ほかにも多種多様な同人誌が存在します。思いもよらないテーマの同人誌に出会えるのもコミケの魅力です。まずは、一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。他のイベントのレポート記事もご覧ください。



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