撮影テクニック:店舗撮影編 飲食店取材でも失敗しない写真撮影のコツ

飲食店を取材して同人誌の写真を撮ろう

ライター : いづやん

こんにちは、島旅フォトライターのいづやんと申します。あちこちの島を旅しては、風景や宿、お店の写真を撮ってブログやWebのトラベルガイドに書いたり、同人誌を作って頒布したりしています。

星の数ほどジャンルやカテゴリーがある同人誌。今回は、写真と文章が用意できれば比較的簡単にまとめられる「飲食店紹介同人誌における撮影時の注意点」を、「取材時の大まかな流れ」と「見栄えがする写真の撮り方」を中心に、僕なりの例を交えてご紹介します。

店舗撮影の基本

店舗、特に飲食店の撮影のとき、僕は以下のポイントを押さえて行うように心掛けています。

  • できるだけ取材を行う前にお店に連絡
  • 空いている時間にお店に伺う
  • 明るい席を確保する
  • ほかのお客さんの迷惑にならないようマナーを守りつつ撮影
  • 可能な限りいろいろな写真を撮影しておく。

難しいことはありません。ほんのちょっと気を付ければ写真の出来も変わってくると思います。それでは、取材するときの大まかな流れに沿ってご紹介していきましょう。

事前準備

まずは、お店に行く前に行うことをご紹介します。

取材を行う前にお店に連絡

飲食店の紹介同人誌を作る際は、普通にお客さんとしてお店に行って、何気なく撮影しその写真を使う、ということが多いかもしれません。しかし、僕は可能な限り、事前にお店に電話したり直接行ったりして、「そちらのお店がおいしくて気に入っているので、こういう用途で取材させてほしい」という旨の連絡をしています。今回の場合ですと、「飲食店紹介の同人誌を作るので、ぜひお店を取材させてほしい」となります。そのときに、「お店の何を撮るか」まで伝えられると、撮影当日がスムーズになります。事前に話を通しておくのは、お店側の理解と協力が得られれば、落ち着いていい写真を撮ることに専念できるためです。

日程調整をして、空いている時間にお店に伺う

取材の連絡をした際に、お店に伺う日時も忘れずに確認しましょう。お店によっては、貸し切りだったりイベントでお客さんが多い日だったりといった場合もあるからです。いっしょに空いている時間帯も確認して、できればその時間帯に行けると、お店にもこちらにとってもベストです。ここまで準備ができれば、あとはお店に行って撮影するだけです!

当日対応

ここからは、取材当日のポイントを紹介します。

まずはお店の人にご挨拶

まずはお店の方にご挨拶。僕はこの瞬間が一番緊張します。
まずはお店の方にご挨拶。僕はこの瞬間が一番緊張します。

お店に行ったら、まずはお店の方に挨拶をします。これが何事もなく行えれば、あとはじっくり落ち着いて撮影に集中するだけです。

後悔先に立たず! 撮影しておきたい写真

同人誌でお店を紹介するページを作るにあたり、後で「撮っておけば良かった!」と後悔しないために、押さえておきたいカットを挙げてみます。

  • 店舗外観(店舗全体、店舗前の看板など)
  • 店舗内(全景、座席、特徴的なインテリア、出入り口、窓)
  • 料理
  • ドリンク(料理といっしょに撮れば雰囲気アップ)

実際に使うかどうか、わからなくてもいいんです。常に「もしかしたら必要になるかも」という気持ちで撮っておくといいでしょう。

明るさを考慮した座席を選ぼう

さて、撮影です。まずは、お店で一番明るい席を確保しましょう。窓際の席があるならそこがベストポジションです。

 窓際の席で料理の撮影ができるとベストになります。
窓際の席で料理の撮影ができるとベストになります。

お店の照明は、蛍光灯や白熱灯だったりするのが一般的ですが、その光だと食べ物をおいしそうに撮るのは難しいです。また、光量によっては、暗すぎて手ぶれをしてしまうおそれも出てきてしまいますし、とはいえ、三脚を立てることはお店から断られる可能性があるでしょう。ですので、飲食店での撮影は、窓際の席で自然光を利用するのが一番なのです。後で詳しく説明しますが、自然光が一番簡単に、手っ取り早く食べ物をおいしそうに撮ることができます。

撮影時のマナーに気を配ろう

明るい席に座れたら、お目当ての料理の注文をしてもいいですし、注文した料理が運ばれてくるあいだに、お店の人に断って店内の写真を撮るのもいいと思います。 そのときに注意したいのは、「お店の方や、ほかのお客さんの迷惑にならないこと」です。

撮影の基本的なテクニック

僕もお店ではなかなか落ち着いて撮影できないのですが、それでもきれいに写真を撮るためにいくつか心掛けていることがあります。以下に、基本的なテクニックをご紹介します。

写真のアングルはパターンを覚えておけば怖くない

「どんなお店か」を紹介するときに店舗内の写真は必要ですが、「行ってみたい!」と思ってもらえるように、僕は以下のことに気を付けて撮影しています。

広角レンズでお店の一番隅から撮影する

まずは、お店の中の全体がわかるような写真を撮る場合ですが、このときはできれば広角レンズを使い、お店の一番隅から、店内全体ができるだけ入るように撮影してみてください。お客さんがいなくて空いているようなら、お店のそれぞれの隅から撮影すると、後で写真を選ぶときに便利です。また、店内撮影時は、ストロボを発光させないほうが雰囲気のある写真が撮れます。ストロボを発光禁止にして、手ぶれに注意しながら撮影してみてください。

広角レンズを使い、お店の隅から店内全体が入るように撮影。
広角レンズを使い、お店の隅から店内全体が入るように撮影。
席の写真はテーブル越しに店内を写す

店内全景を押さえたら、次は席の写真や特徴的なインテリアがあれば撮っておきましょう。加えて、席に座ってテーブル越しに店内の写真も撮っておくと、「あ、中はこんなお店なんだな」ということがわかって、同人誌を読む人のためにもなりますし、その写真を使わなくても自分で文章を書くときに、後でイメージを膨らませやすいと思います。

余計な物が入らないように注意するのも大事。これは、ペンギンのオブジェを中心に撮ろうとして、横の柱が入ってしまった例。
余計な物が入らないように注意するのも大事。これは、ペンギンのオブジェを中心に撮ろうとして、横の柱が入ってしまった例。
柱を入れずにペンギンに少し寄って撮影。ペンギンに視線が集中し、特徴がよく表れた写真となりました。
柱を入れずにペンギンに少し寄って撮影。ペンギンに視線が集中し、特徴がよく表れた写真となりました。
外観は角度をつけておしゃれに

お店の外観も、店内撮影時か帰るときに押さえておくといいでしょう。外に面しているお店なら、少し角度をつけたアングルから撮れば、おしゃれに見えますし、ガラスに自分が映り込むことも避けられます。

左右どちらの角度から撮るか決められないようであれば、両方撮っておくことをおすすめします。
左右どちらの角度から撮るか決められないようであれば、両方撮っておくことをおすすめします。
ガラスが写るときも、少し角度をつけると映り込みが解消できます。
ガラスが写るときも、少し角度をつけると映り込みが解消できます。
これは正面から撮って、自分が写り込んでしまった例です。
これは正面から撮って、自分が写り込んでしまった例です。
料理は寄る

注文した料理やドリンクが運ばれてきたら、いよいよ料理の撮影です!今回は、自家製コンビーフやサンドイッチ、スイーツを撮ります。全体を入れて上から撮ると、確かに「何を撮った写真か」はわかりやすいと思いますが、もっと寄ったほうが、その料理のおいしさを伝えられます。

正面、上から撮っても、どんな料理かはわかりますが、おいしさや見栄えは乏しくなってしまいます。
正面、上から撮っても、どんな料理かはわかりますが、おいしさや見栄えは乏しくなってしまいます。

その料理の主役が何かを考えて、手前にその部分(例ではコンビーフ)が来るようにお皿の角度を調整し、料理が画面からはみ出るほど寄って撮るとおいしそうに見えます。レンズは、標準か少しズームで寄れるだけ寄るといいでしょう。

角度をつけてしっかり寄ってみると、このように料理の特徴がよくわかるようになります。
角度をつけてしっかり寄ってみると、このように料理の特徴がよくわかるようになります。

自然光を利用する料理を撮影する際、窓際の明るい席を選んだことが効いてきます。窓際の明るい席であれば、ストロボなしでも自然光で明るさが稼げますし、テーブルに置いた料理の奥から光があたるようにすると、料理に透明感が出ておいしそうに撮ることができます。

 サンドイッチを自然光の差さない店内で正面から撮った写真。
サンドイッチを自然光の差さない店内で正面から撮った写真。
サンドイッチを窓際に置き、奥から光をあてて、寄って撮ってみた写真。
サンドイッチを窓際に置き、奥から光をあてて、寄って撮ってみた写真。

ある程度引いて料理の全体のカットと、大胆に寄ったカット、料理と店内の両方が写ったカットの3パターンを数枚ずつ撮っておけば、実際に同人誌を作るときに「ああやって撮っておけば良かった」と、後悔することはなくなるでしょう。

スイーツも窓際に置くと、奥からの光でソースに照りが出て、おいしそうに写せます。
スイーツも窓際に置くと、奥からの光でソースに照りが出て、おいしそうに写せます。
メインのサンドイッチを中心に、ほかを少し画面から切るくらいに寄ってみた写真。
メインのサンドイッチを中心に、ほかを少し画面から切るくらいに寄ってみた写真。

カメラの設定は大まかなポイントを押さえて、現像でカバー

料理撮影時のカメラの設定については、「これが正解」というものはありません。ですので、ここでは僕なりに「これだけ押さえておけば失敗は少ない」というポイントをお伝えしたいと思います。

僕の場合は、自然光が入ってくる場所ならストロボ発光禁止にして、絞り優先(AV)モードにしています。

今回の撮影は、僕が長年愛用しているEOS 7Dと標準ズーム、広角ズームで行いました。
今回の撮影は、僕が長年愛用しているEOS 7Dと標準ズーム、広角ズームで行いました。

F値(絞り値)は「できるだけ明るく撮りたい」と開放にしてしまいがちですが、料理に寄った状態でF値を開放すると、料理にピントが合っている部分が狭くなり、大部分がぼけてしまうことがあります。不安なら、F5.6~8くらいで数枚撮影しておくと安心です。

ホワイトバランスや露出補正も大事ですが、お店でいろいろ変えて試行錯誤するより、記録画像を「RAW」で撮っておき、帰ってから「Digital Photo Professional」や「Adobe Lightroom」などの写真編集ソフトで現像(※)したほうがいいと思います。

ただし、「白飛び」の写真だけは気を付けてください。明るい部分が白く飛んでいると、現像で調整してもその部分は白いままです。露出補正をしつつ、迷ったら少し暗めに撮って、現像時に明るさを調整するのもひとつの手だと思います!

※現像とは、撮影したRAWデータを鑑賞可能なJPEGなどのデータに変換する作業のこと。撮影時にJPEGなどで保存するよりも、RAWデータならホワイトバランスやコントラストの調整のほか、ディテールをシャープにし、ノイズを減らすといった画像処理がしやすくなります。

奥からの光が強いので、白飛びしないように少し暗めに撮影。
奥からの光が強いので、白飛びしないように少し暗めに撮影。
RAWデータで撮っておけば、少し暗い画像なら現像で白飛びを押さえつつ、明るい写真にできます。
RAWデータで撮っておけば、少し暗い画像なら現像で白飛びを押さえつつ、明るい写真にできます。

画像のサイズは印刷で使うものなので、できれば最大のサイズで撮っておきましょう。せっかくきれいに撮れても画像の解像度が足りずに、誌面で小さくしか載せられないと悲しいです。

これまでのことをまとめると、カメラの設定はこんな感じです。

  • RAWデータで、解像度は最大
  • ホワイトバランスはオートでOK、現像時に調整
  • 絞り優先モードで、開放から少し絞った値で撮影
  • ストロボは発光禁止
  • 白飛びは避けるよう露出補正、気持ち暗めに撮るのもあり

まとめ:店舗撮影は難しくはない

お店を取材して同人誌のための写真を撮影する流れを大まかに紹介してきました。いくつかのポイントを押さえておけば、落ち着いて写真撮影ができると思います。また、空いている時間帯に取材できれば、料理を撮影しながらお店の人にお話を聞くことができるかもしれません。そうすれば、より同人誌に深いネタを載せることもできるはずです。お店の人と仲良くなって、楽しく撮影できれば、同人誌も良いものとなるに違いありません。

編集部コメント

ちょっとしたテクニックでこんなにいい写真を撮ることができるのですね。私もよく食べ物を撮影するのですが、いつもおいしさを伝えられない写真ばかりなので、今度からこの記事のポイントに気を付けて、許可をいただいて撮影しようと思います。



取材協力のお店

<サンドイッチ・ファクトリー>

JR京浜東北線「西川口駅」から徒歩10分の「サンドイッチ・ファクトリー」は、名前のとおり、多彩でボリュームたっぷりのサンドイッチや、冷たいフレンチトーストといったスイーツを楽しめるカフェです。アルコールとフードメニューも充実していて、特にヨーロッパ系のクラフトビールは定期的に入れ替わっているので、足を運ぶ楽しさもあります。

  • 住所 埼玉県川口市並木3-3-18 ヴィラーレ並木1F
  • 電話 048-299-4154
  • URL http://www.sandwich-f.com
  • 営業時間 11:00~23:00定休日 月曜日

www.sandwich-f.com

上記の情報は2018年12月時点のものです。

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