私の出展マニュアル「ツマヤ」編 ゲームを手に取ってもらえるブースを

ライター : あからん

私の出展マニュアル「ボードゲームサークル : ツマヤ」

 

 

「ツマヤ」というボードゲームのサークルに所属し、即売会に出展している、あからんと申します。これまでゲームに限らず、コミックマーケットやコミティア、デザインフェスタ、ゲームマーケットのほか、M3、Pixel Art Parkなどに作品を出展してきました。自分が主宰となっているものもあるのですが、最近ではご依頼いただいて他者のサークルを手伝ったりすることがほとんどになっています。

ツマヤは会社の仲間で作ったサークルなのですが、そのように一人ではなく、複数の人間が参加するサークルで出展する場合、仲間うちでのトラブルが起きないよう心がけていることがあります。この記事では、せっかくのイベント参加を楽しい思い出にするために、トラブルが起きないように気を付けておきたいことを中心にお話ししたいと思います。

沖縄から飛行機で買いに来てくれた人に感激!

最初に、私の同人歴をご紹介します。初めて同人イベントに参加したのは、20歳のときでした。その2年前からWebで映像作品を作っては公開して、仲間ができていたのですが、リアルでもクリエイター仲間を増やすためにサークルを作りまして、いっしょにイベントに出展しようとなったんです。そのときは、当時流行していたアスキーアートのグッズとか、帽子とか缶バッジを作って出しました。打ち上げができるくらいの黒字が出せたのを覚えています。

その後、Webで公開していた音楽作品へのアクセスが増えてきて、実際、どんな人がアクセスしてくれているのか知りたくなって、CDを作ってイベントに出てみました。そうしたら、方々から色んな方がいらしてくださいました! 中には、「沖縄から飛行機で来ました」っていう人も。そんな遠くからわざわざ私のサークルに来てくれたのかって、かなり感激しましたね。とても印象に残っています。ちなみにCDは50枚ほど作りまして完売しました。

今回の出展物紹介

これが、ツマヤが2018年に開発したゲーム「あのアレなヤバイ動物」。

これが、ツマヤが2018年に開発したゲーム「あのアレなヤバイ動物」。

今回は、ツマヤとして参加した「ゲームマーケット2018秋」を例に、イベント出展の際のポイントをご紹介します。

ツマヤは、クリエイターが集まる会社で作ったサークルのため、全員がゲームを制作するスキルがあります。とはいえ本業ではないので各自協力して、分業してボードゲームを作っています。これまでも同僚に仕事を押し付けて、いかにして帰るかを競う「タスクバースト」、他人を出し抜いて、気付かれないように勝利をつかむカード配置系ゲームの「ゾアリウム」を制作し、イベントに出展してきました。この2つだけだと性格の悪い人が作っているイメージになってしまいますね。

そしてこの度、決まった言葉だけで動物を表現する語彙力消失系パーティゲーム「あのアレなヤバイ動物」を開発し、ゲームマーケットにて販売することにしました。

私の出展マニュアルのご紹介

それでは、ここから団体でイベント参加する際に、私が気を付けている「私の出展マニュアル」をご紹介します。くれぐれも"私の“ですが、おすすめはします。

私の出展マニュアル1 団体の場合は進行管理役が不可欠

まずは、作品制作の場面でのポイントをご紹介します。最近のイベント出展では、私は進行管理の役割をすることが多いです。私の経験でいうと、作家さんは大半が、締切がないと作品を作れないと思います。それはサボっているわけではなくて、いい物を作りたいという気持ちが強いことで、ほっといたら永遠に作り続けてしまうからです。

ですから、この日までに作ってくださいと、期限を切らないといけないのです。特に分業で行っている場合、1人が遅れると、どんどん遅れが生じて、たいへんなことになってしまいます。サークル活動など共同作業の際、私はおもにその役割を担えるようにしています。

私の出展マニュアル2 作家には自腹を切らせない

もうひとつ、出展する上で大切なのはお金の問題です。基本的なことですが、これもよくトラブルになります。クリエイターの中には、経費に関して、自腹を切りたがる人が多い印象です。お金を自分で出してまでも、自分のやりたいことにこだわりたいというのが理由です。

しかし、身銭を切って必死になるうちにストレスがたまって、「こんなにがんばっているのにお金が出ないのはなぜだ」などと不満を抱えてしまうことがあります。ですから、自腹を切らせないように「必要な経費を申告してね」と、しつこく言うようにしています。最初にお金のことを決めておくのはもちろん、最後までクリエイターが働きすぎたり自主的に自腹を切ったりしていないかチェックしていれば、トラブルは回避できるはずです。

私の出展マニュアル3 イベント当日に向けてチェックリストを作る

チェックリスト

チェックリスト

進行管理係の仕事として、イベント当日に向けて準備するべき物のチェックリストを作っておきます。そして、必要になる物品は、可能な限り前日までに用意します。当日は、準備しておいた荷物を持って、会場入りするだけの状態だと安心です。

必要な物品として特に忘れてはいけないのは水です。コミケのような大イベントになると、気を付けていても脱水症状で倒れて、救急車で運ばれる人が必ず出てきます。それから、汗を拭くタオルも重要です。さらに、忘れがちなのが「釣銭」です。これは、当日用意しにくいので、私はチェックリストでも上のほうに書いています。

また、店番を交替してくれる人も、いないと困ります。会場は混み合いますし、トイレもすぐ近くになかったりしますので、交代要員がいないと、長時間ブースを無人にしてしまう事態が発生します。団体の場合は、常時2人はブースにいられるようにします。

私の出展マニュアル4 お客さんとのやりとりをシミュレーションしておく

私は当日、お客さんとどんなやりとりをするか、あらかじめシミュレーションしています。特にゲームの場合、説明にはけっこう時間がかかります。よくいるのが、「どういうゲームですか?」と一般参加者に聞かれて、ルールから説明を始める人です。しかし、それではなかなか核心まで行けない。ですから「つかみ」の文句を考えておくんです。(ゲーム慣れした人同士ですと、ルール説明からで通じ合えることも少なくありません)

例えば、ツマヤの「あのアレなヤバイ動物」の場合、「動物を当てるんです」って言われても、全然ワクワクしない。でも、「これは語彙力が消滅するゲームです」って言えば、「何それ?」と興味がわくと思うんです。そういう事前の仕込みが大事だと思っています。そして、このつかみを、当日ブースに立つ人、全員で共有します。

私の出展マニュアル5 イベントごとのルールを確認する

当日、現場に着いたら、まず、主催者から提供されるマニュアルやルールをよく読んでおくようにしています。初めてイベントに出展したとき、学生のノリで「まあ見てってくださいよ~」と、屋台の呼び込みのようなことをしてしまいまして…。後から知ったのですが、これはマナー違反だったのです。それからは、みっともないことをしないよう、イベントごとのルールを予習しています。

私の出展マニュアル6 ゲームはとにかく手に取ってもらってなんぼ

ブースのディスプレイですが、ゲームのブースでは、現物を箱にしまっておくのではなく、その場に出して、手に取って見てもらうことが大事だと考えています。ですから、サンプルも必要です。そこからさらに、「一回やってみますか?」と、手軽に誘うことが理想ですね。おもしろさをいかに早く伝えるか、それがイベントでの作法かもしれません。時間のかかるゲームであれば手軽な説明をしておいて「本番はこんなこともできるんですよ」と醍醐味を紹介する方法があります。

同人ゲームイベント特有の試遊スペース。ここでゲームを試すことができる。
同人ゲームイベント特有の試遊スペース。ここでゲームを試すことができる。

まとめ:とにかく楽しむ! イベントは「金儲け」ではなく「楽しむため」の場

ここまで、私が出展する際に気にしているポイントをご紹介してきました。しかし、重要なのは、何より楽しむことだと思います。私にとってイベントは祭りといっしょです。ですから、目的は楽しむことであり、お金儲けではありません。同人イベントの参加は、このくらいの気持ちのほうがいいと思います。一般参加者もサークル参加者も、イベントのスタッフも、お互いをリスペクトして成り立つのが同人イベント。ひとたび、お金儲けの意識になってしまうと、楽しもうという意識が薄れてしまいがちです。みんなで仲良く楽しめる雰囲気が理想だと思います。その上で次の活動のエネルギーが増えつづけたら嬉しいですね。

編集部コメント

イベントに出たいと思ってもなかなか出られないことがありますが、あからんさんのようなプロデューサーの立ち位置の人がいると安心ですね。

今回は、同人ゲームを題材にした紹介でしたが、十分、同人誌でも活かされる内容だったと思います。1人で作るのもいいですが、同じ趣味の仲間とアイディアを出し合いながら作るのも、すごく楽しそうですね。イベントもみんなで手分けすれば、いつもよりも盛り上げられそうです。



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